和歌山を走る日本一遅い終電がなくなる

No.11 - 2009/12/19



概要図。大阪府と和歌山県の面積がほとんど同じことからわかるように、距離・面積はかなり適当である。
 JRグループのダイヤ改正が来年春に行われるが、その概要が発表された。JR西日本和歌山支社によると、日本一遅い最終電車として有名だった、新大阪駅を22時46分に発車し、終点である紀勢本線・紀伊田辺駅に翌1時47分に到着する快速列車(2995M)がなくなるということだ。なくなる、というのはやや正しくない言い方だろうか。この列車の終点駅が紀伊田辺駅より10駅ほど手前の御坊駅になるのである。
 もともとこの列車は大阪方面(もとは天王寺駅発だった)を発車し、紀伊半島をぐるっと一周して名古屋へたどり着くという夜行列車であったわけだが、利用客の減少により新宮駅どまりとなり、さらにその後、紀伊田辺駅へと運行区間が短縮された。

 乗ったことがないけれども、やはり乗客が少ないのだろう。とくに御坊〜紀伊田辺間は昼間でも電車が1時間に1本という区間だ。そのような区間に夜遅くに来る人はそうそういまい。
 この快速列車以外にも、紀勢本線を通る列車が減便されるようである。じっさい、和歌山県は衰退する一方である。もうまもなく人口は100万人を切りそうである)。観光需要はまだまだあるのだろうけど、高速道路が整備されつつある現状、高い料金の特急列車に乗ってくる人は減っていく一方であろう。紀勢本線全通50周年を祝っていた矢先にこれとはなかなか悲しいものがある。

 来年春のダイヤ改正まで、この列車はたしかに紀伊田辺まで行く。なくなる前にいちど乗ってみようかと思ったのだけれど、さすが「日本一遅い終電」だけあって、乗るためのハードルは高い。そもそも、田辺市に丑三つ時に放り出されてどうすればいいのやら。


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